財前光くんにはもう二度と会えない

財前くんを好きになって数年、はじめてテニミュを観に行った

佐藤流司さんという人が演じるのだと言う

インタビューを見た

ちょっとうざくてかわいくて、だから私の好きな財前くんじゃないと思っていた

3時間で6000円未満で、当時の私にはじゅうぶん過ぎるくらい高かったけれど、そんなことどうでもよくなった

財前くんが生きている

財前くんが、いる

財前くんに最後に会ってから、もう4年以上経つ

もう二度と会えないのが嫌で、最後なんて思いたくなくて、わたしの部屋には新品未開封のDVDがたくさんある

流司さんの芝居が好きだ

流司さんじゃない人でいてくれる

3rdのキャストが発表されて、すごく、複雑だった

サッキーがいた

彼はテニミュにかえってきた

刀ミュと同じくらい名義をぶちこんだら、10枚以上3列以内の席が出て、胸をなでおろした

初日から数日、何度か良い席で観劇して、ああ、全然違うんだなあって当たり前のように思った

あの人は「テニミュの財前光くん」なのだ

流司さんは、「誰にも越えられない自信がある」「真似してほしくない」と言っていた

ラケットを振るフォームはよく似ていたけど、キャラクターに対するアプローチが違うのがよくわかった

あの頃よりたくさんお芝居を観たからだろうか

4年前の財前くんとは違う

先輩たちに気をつかわれていた

スマートフォンを持ってたくさん写真をとっていた

白石部長への尊敬の気持ちは強く出ないし、ラブルスのふたりには特別振り回されて怯えている

手塚くんのことを真っ直ぐ見て歌える

ピアスの色が違う

ラケットが、シューズが、表情が、

テニミュがすきだ

だからたぶん、3rdが終わる時も見届けられると思う

財前くんがすきだ

だからもう、あの人には会えない

ありったけの努力をして、財前くんでいてくれてありがとう

テニミュの財前くんもすきだ

だからできるだけ観に行って、たくさん良いところを見たい